こんにちは、ゆんつです。
会社宛てのハガキや封書には会社名の後に「御中」をつける。
個人あてのハガキや封書には名前の後に「様」をつける。
これが郵便を出すときのビジネスマナーとされています。
今から15年くらい前の話しです。
当時の僕が勤めていた会社は昭和の香りを色濃く残す会社でした。
事務作業にあまりPCを使わず、お得意先に郵便を出すときはベテラン女性事務員2人が黒い腕カバーをし、郵便物にお得意先の住所が刻印された住所印をペタペタ押すというようなアナログな会社でした。
その会社では毎月月末になるとお得意先に200通近い郵便を出していました。
その郵便を出す際。
必ず行われる、とても変わった作業がありました。
きっと皆さんは目にしたことがない作業だと思います。
僕もその会社で初めて見ました
「御中チェック」と「様チェック」
得意先に郵便物を出すときに行われる作業。
それは、「御中チェック」と「様チェック」というものでした。
先ほど書いたように、その会社では郵便物のあて名書きにPCを使わずに住所印を使用していました。
住所印には会社又は個人の住所と会社名又は個人名が刻印されています。
ですので住所印を押した後に、会社宛てなら「御中」個人あてなら「様」というハンコを別途押すことになります。
この、住所印の後にきちんと「御中」と「様」のハンコが押されているかどうかを確認するのが「御中チェック」と「様チェック」でした。
毎月、月末になるとベテラン事務員2人の机の上に大量の封筒またはハガキと住所印、スタンプ台が用意されます。
そして、職人技のような速さで封筒やはがきに住所印がペタンペタンと押されていきます。
住所印を押し終わると次に、会社宛てには「御中」と個人あてには「様」のハンコを次々押していきます。
これらの作業が終わると、いよいよ「御中チェック」と「様チェック」です。
1人の事務員の人は「御中!御中!」と言いながら封筒やハガキを1枚ずつめくって、会社名の後ろにきちんと御中のハンコが押されているかをチェックします。
もう1人の事務員の人は「様!様!」と言いながら封筒やハガキを1枚ずつめくって、個人名の後ろにきちんと様のハンコが押されているかをチェックします。
静かな事務所に響く「御中!」と「様!」の声。
僕は転職してその会社に途中入社したので、この御中チェックと様チェックという作業を初めて見たときは
これは、いったい何なんだ!
と唖然としました(笑)
御中チェックと様チェックが始まった理由
僕は職場に慣れてきたころに、ベテランの事務員の人に御中チェックと様チェックをする理由を聞いたことがあります。
すると
あなたが入社するかなり昔に、会社名の後に「御中」の印を押し忘れて苦情がきたことがあったのよ。
それから押し忘れ防止のために、声を出しながらチェックするようになったの。
と言われました。
普段、会社名の後に当たり前のようにつけている御中ですが、付け忘れるとクレームになることもあるということを、そのとき初めて知りました。
なぜPCで印刷しないんだろう?
僕がもう1つ感じた疑問は
なぜPCとプリンターを使って住所を印刷しないんだろう?
ということでした。
エクセルでもいいですし、適当なはがき作成ソフトを買って住所録を作ればプリンターで一気に印刷できますし、御中の押し忘れなんてことも無くなるはずで、住所印を使うよりも業務はずっと楽になります。
でも、この疑問をぶつけるのはやめておきました。
なぜなら
じゃあ、これから郵便物はあなたがパソコンでやってよ
と言われるのが怖かったからです(笑)
僕はその会社を2年くらいで退社してしまいましたが、御中チェックと様チェックは毎月欠かさず行われていました。
今もやってんのかな?
今でもその会社は存在します。
ただ、御中チェックと様チェックをしていた2人のベテランの事務員の人は、当時でも結構高齢だったので、おそらく定年退職をしていると思います。
たまにその会社のことを思い出すと、
今でも御中チェックと様チェックをやっているのかなぁ
と、そのことだけが気になります。
それでは、またー。
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