こんにちは、ゆんつです。
この前、家族や親せき一同で寿司屋に行く機会がありました。
お茶が出てきたので湯呑を見ると、湯呑の周囲にびっしりと魚へんの漢字が書かれた寿司屋にありがちな湯呑でした。
その湯呑でお茶を飲んでいると、兄が湯呑を眺めながら
そういえば、昔親父が使っていた湯呑もこんなんだったよなぁ
と言いました。
その言葉で、僕も父親の湯呑を思い出しました。
今から30年くらい前。
父は仕事の接待で使うお寿司屋さんから頂いた湯呑を愛用していました。
その湯呑には、「鮎と鯉とで鱚をしてフグ鰊してしまい~」という書き出しで始まる、魚へんの漢字をふんだんに織り込んだダジャレのような文章が書かれており、最後は「ああ面白い寿司の味」で締めくくられていました。
当時、子供だった僕と兄はその湯呑に書かれていた文章が面白く、よく声に出して読んでいました。
そのたびに母から
そんなの読まんよ!
と怒られていましたが、文章のいたるところに色んな魚が入っているその文章は僕と兄を惹きつけてやみませんでした。
そういえば、そんな湯呑があったなあ
そう思っていた僕に兄が、
お前、あの湯呑の文章全部覚えてる?
と聞いてきました。
そういえば、僕と兄はその文章をどっちが早く暗記できるか競争したことがあります。
結果は兄の方が先に覚え、兄から少し遅れて僕も全部覚えたのです。
兄に言われて湯呑の文章を思い出してみますが、「鮎と鯉とで鱚をしてフグ鰊してしまい」、「鮎の鰈氏、鮫鮫と泣く」、「ああ面白い寿司の味」というフレーズは覚えていましたが、他の部分は全然思い出せません。
兄も僕と同じようなもので、文章の最初と最後しか覚えていませんでした。
どうでも良い文章ですが、子供の頃に丸暗記した文章が思い出せないのは何となく気持ち悪いものです(笑)
湯呑の画像があれば、どんな文章だったかわかるんだけどなあ
僕と兄はお互いのスマホで、その湯呑の画像が無いかネットで検索を始めました。
文章があった!
ネットで探してみると、その湯呑画像はありませんでしたが、湯呑に書かれていた文章と全く同じ文章が写っている画像が掲載されているサイトを発見しました。
画像に書かれていた文章を引用させていただきます。
鮎と鯉とで鱚をして鰒鰊してしまい
鮎乃鰈氏は鮫鮫と泣き
鯉の主人一言鰯てもらうと鰤々怒る
鯒はそれを見て鯛した事はないと鮃顔
鱈鰆ぬ神にたたりなしと言い
それから鰙くも丸三年何のさよりもないままに
鮭のすずきな鰈氏鱒々鮭を鱶乃様に飲み蛸の如く鮪くなり
鮗枕もはぜもあ乃世行きとなり
鯖々として目出鯛終末となる
ああ面白い鮓乃鯵
まさに、この文章が父の湯呑に書かれていた文章です!
実際には魚へんの漢字の隣にふりがなが降ってあるので、誰でも簡単に読むことができます。
ちなみに、さよりは魚へんに針という漢字、すずきは魚へんに戸という漢字、はぜは魚へんに沙という漢字なのですが、いずれもIMEの辞書には載っておらず漢字で書くことが出来ませんでした。
漢字のままの文章では魚へんの漢字が読みづらいと思うので、全部をひらがなにしたものも書いておきます。
あゆとこいとできすをしてふぐにしんしてしまい
あゆのかれいしはさめざめとなき
こいのしゅじんひとこといわしてもらうとぶりぶりおこる
こちはそれをみてたいしたことはないとひらめがお
たらさわらぬかみにたたりなしほっけといい
それからはやくもまるさんねんなんのさよりもないままに
さけのすずきなかれいしますますさけをふかのようにのみたこのごとくまぐろくなり
このしろもはぜもあのよいきとなり
さばさばとしてめでたいしゅうまつとなる
ああおもしろいすしのあじ
僕と兄は画像をみながらこの文章を声を合わせて読み上げ、最後まで読み上げた瞬間、2人はなぜか固い握手を交わしていました!
なんでだよ!
この文章を見て改めて気づいたのは、僕は文章の締めの部分は「ああ面白い寿司の味」だと思い込んでいたのですが、最後の「味」は実際には「鯵」だったということです。
とことんまで、魚へんの漢字にこだわっていたんだなあと感心させられました(笑)
売ってたら買おうかな
この文章を見つけてから、僕の中で
もしあの湯呑が売ってたら欲しいなあ
といく気持ちがムクムクとわき上がってきました(笑)
僕が中学の時に父は亡くなり、その湯呑は形見として兄が少しの間使っていたのですが、母が洗う時に手を滑らせて割ってしまい今は実家に無いのです。
ネットであの湯呑を販売しているお店を調べてみると、300個以上の大量発注なら購入できるサイトは見つけましたが、さすがに300個もいらないです(笑)
もしいつか、どこかのお店で同じものが手ごろな値段で見つかれば。
購入して実家にある父親の仏壇に供えようかなと思っています。
それでは、またー。
コメント
わたしの父親が使っていた湯呑みにも、同じ文章が描いてありました。
湯呑みは白地ではなく、瓦色のような生地で、明るい色で文字が描いてありました。
その湯呑みは、怪しげな記憶ながら(なにせ50年くらい前の記憶です)、東神奈川の駅前の寿司屋のものであった(店名もわからず、現存するかはわからないです)ことを覚えています。
注文すれば作れるということは、いまも同じ意匠のものを使っているお寿司屋さんが各地にあるのでしょうね。手に入るならちょっと欲しい気もしました。
くぼあき しん 様
コメントありがとうございます。
瓦色だと渋い感じの湯呑ですね。
文言は同じで、色んな色のバリエーションがあったのでしょうね。