こんにちは、ゆんつです。
「黒歴史」という言葉があります。
思い出したくもないような個人的な負の歴史。
恥ずかしくてとても人には話せないような自分の歴史。
ある程度の年齢まで生きてきたら、誰でも1つや2つは黒歴史があると思います。
僕なんて1つ2つどころではなく、両手で足りないくらい黒歴史があります。
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僕の人生は恥の歴史です
今日は、そんな僕の黒歴史の1つ「気象を操れると思っていた話」をしようと思います。
事の発端
中学生の頃の僕はよく窓の外を見ていました。
勉強ができなかったので、外の風景をみて授業時間が過ぎるのを待っていたのです。
その日も、いつものように窓の外を眺めていました。
この頃はまっていたのは「面白い形の雲」を見つけること。
通り過ぎていく雲には様々な形があり、しかも動きながら少しづつ形を変えていきます。
視界の端から端に流れていく雲を眺めているだけで、ずいぶんと時間が潰せたのです。
眺めているだけなのに飽きた僕は特定の雲を見て念じました。
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消えろ!
しばらく眺めていると、消えろと念じたクモはまるで散っていくような感じで形が崩れていき、いつしか空に溶けていました。
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僕が念じたら雲が消えた!
このことが全てのきっかけでした。
確信
自分の力で雲を消したと思い込んでから数日後。
下校前の「帰りの会」の最中に雨が降ってきました。
その日は朝から晴れていたのでクラスは
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傘持ってきてないよー
の大合唱。
僕は空を眺めて念じました。
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雨よ止まれ!
10分後。
雨がやみました。
クラスメイトが
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雨やんだよ!
よかったー!
とはしゃいでいる中、僕だけ
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僕には雲を消すだけじゃなくて、気象も操れる能力があるんだ!
と確信し、一人でひそかに興奮していました。
任せろ!!
それから、さらに数日後のある日の事。
部活を終え着替えて体育館から出ると、小雨が降っています。
体育館入り口の軒下で、同じクラブの女の子が3人外を眺めて困ったような顔をしています。
その中には、当時好きだった女の子もいました。
僕が女の子たちに
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傘持ってないの?
と聞くと
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ウン
という返事。
僕は
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ちょっと待ってね
と言い、顔を天に向け目を瞑って念じました。
女の子たちが
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え?何?何なの
と言っている声が聞こえます。
15秒くらい経ったでしょうか。
僕は瞑っていた目をカッと見開き彼女たちの方を振り返り
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今から10分後に雨が止むから。
でもあまり長くは続かないから、雨が止んだら走って帰って!
と告げました。
女の子たちは唖然としつつも小さな声で
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ありがとう・・・
と言いました。
僕は、そのまま雨の中を帰ります。
彼女たちの
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雨が止むんだったら、止むまで待てば
という言葉に背中を向けたまま
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濡れながら帰るのが好きなんだよ
と言い右手を軽く挙げました。
5分後。
雨は小雨から本降りになっていました。
家に着くころには全身ずぶ濡れ。
寒さで歯をガチガチ鳴らしながら、すぐにお風呂に入って体を温めました。
雨は一晩中降り続きました。
その後
翌日。
3人組は「僕が雨を降りやませることができなかった」ことをからかってくるわけでもなく、普通に接してくれました。
他の人たちに言いふらされているかもと心配していましたが、そんなこともないようです。
この1件で「気象を操る力」が自分には無いことを身をもって知った僕は、いつしか雲を見ることもやめ「自分が気象を操れると錯覚していた事」すら完全に忘れていました。
中学を卒業し、高校1年の時のゴールデンウィーク。
同じ中学の同じ部活だったメンバーが集まって同窓会をすることになりました。
皆で集まって中学時代の思い出話をしていると、あの時の3人組が僕の例のエピソードを話し始めました。
周囲は大爆笑です。
僕はすっかり忘れていたその時の記憶がハッキリと蘇り、全身から汗が吹き出し顔が真っ赤になりました。
そして彼女たちは言いました。
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ゆんつって陰のあだ名があったんだよ
僕は恐る恐る
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なんてあだ名?
と聞きました。
彼女たちは口を揃えて言いました。
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クレージー
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そのままじゃないか!
もっとオブラートに包め!
今でも、ごくたまにこの同窓会を夢に見ます。
そしていつも「クレージー」の場面で目が覚め、体中にびっしょりと嫌な汗をかいているのです。
それでは、またー。
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