こんにちは、ゆんつです。
僕の家に代々続く家訓に
金の貸し借りは親兄弟であってもするな!
というものがあります。
金の貸し借りは不和の元になるので、たとえ家族の間柄でもお金の貸し借りはしてはいけないという意味の家訓です。
僕は父からこの格言を叩きこまれ、父は祖母から、祖母は曽祖父から・・・
といった感じで、この言葉は僕たちの一族の中の掟になっています。
でも、一度だけこの決まりを破って知り合いにお金を貸したことがあります。
そして大変嫌な思いをしました。
僕の1万円が・・・
大学生の頃の話です。
大学入学直後に知り合い仲良くなった同級生から
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今月の生活費がヤバいから1万円貸してくれない?
と言われました。
僕は家訓を思い出しましたが、その同級生を信用できるいい奴だと思っていました。
それに彼は入学してすぐにアルバイトを開始しており、仕送り以外の定期収入もあったのです。
ですので
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バイトの給料が出たら、きちんと返してくれるだろう
と思って、僕の人生で初めて人にお金を貸すことにしたのです。
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はい1万円
![男性](https://im-cocoon.net/wp-content/uploads/man.png)
ありがと。すぐ返すからね。
そういって彼は僕から1万円を借りました。
全然返ってこない
その彼とは、ほぼ毎日学校で顔を合わせます。
ですので
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すぐに返ってくるだろう
と思っていました。
ところが1週間たっても2週間たっても返してくれません。
いい加減僕も頭にきて
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早く1万返せよ!
と言うと、彼は
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ごめんごめん。〇月〇日にはお金が入るから返すよ
と言いました。
でも、彼が言った日付の日。
彼は学校に来ず結局お金は返ってきませんでした。
他の人も貸していた
返ってこない1万円の事でイライラしていた頃。
別の知り合いから
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○○(僕が1万貸してる人)に1万貸してるけど返ってこない
という話を聞きました。
さらに、もう1人彼に1万円を貸している人も発見しました。
僕の周辺だけでも3人からそれぞれ1万円を借りていたのです。
返してもらいに行こう!
彼にお金を貸している3人で、彼のアパートを訪問しお金を返してもらいに行くことになりました。
というのも僕たちを避けているのか、この頃から彼を学校で見かけることが少なくなり、電話をしても出ない状態になっていたからです。
幸い金を貸している人の中に彼のアパートを知っている人がいたので、夜中に彼のアパートを3人で訪問することになりました。
アパートに行ってチャイムを押すと居留守を使うこともなく普通に彼が出てきました。
玄関から見る彼の家の中はいろんなものが散らかっていて、まるでゴミ屋敷のようでした。
僕たちの顔を見てすぐに察しがついた彼は苦笑いしながら
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お金でしょ?
といい、奥の部屋から財布を持ってきました。
そして財布から1万円札を3枚取り出しました。
僕は驚きました。
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どうせ家まで行っても返してくれないんだろうなあ
という諦めにも似た気持ちが半分以上あったからです。
そんな予想を裏切ってお金が返ってくるのです。
僕以外の人たちも安心したのか、全員険しかった表情が穏やかになってきました。
すると彼が3万円を手に言いました。
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家の掃除を手伝ってくれたら返す
僕たちは目が点になりました。
僕たちがお金を貸してるのだから返してもらうのは当たり前です!
それなのに何故家の掃除をしなければならないのでしょうか。
僕たちは口々に
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ふざけんな!
と言いますが彼は
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じゃあ、いいよ。返さないから。
と言いうのです。
少しでも血の気が多い人がいたら、間違いなくその瞬間に殴り合いになっていたと思います。
でも僕も含め金を貸した側はみんな腕っぷしが弱い奴らばかりです。
僕たちは金を返してほしいので、しぶしぶ彼の家の掃除を始めました。
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僕は部屋中のゴミを集めました
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僕は台所にたまっていた食器を全部洗いました
そして部屋の片づけが終わって、彼からそれぞれ1万円の返済を受けました。
でも、これでは「返済」というよりも「給料」です。
帰り際。
彼は帰ろうとする僕たちに向かい
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金は貸した瞬間から借りた奴の方が強くなるんだぞ!
社会に出る前によく覚えとけよ!
と言い放ち玄関のドアを閉めました。
彼のアパートから帰りながら僕たちは
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あいつ中々良いこと言うな
と頷きあっていました。
金は貸さないほうが良い!
というわけで家訓を守らずに金を貸して嫌な思いをした話です。
お金を貸してなかなか返してもらえないと
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ちゃんと返ってくるかなぁ・・・
という悩みを貸した側が抱えることになります。
そして貸した側の悩みとは裏腹に借りた側はあんがい気楽だったりします。
お金は減るは、ストレスは抱えるわ、返ってこないと人間関係が壊れるわで、お金の貸し借りには悪い事しかありません。
ですので、人にお金を貸さないほうが良いと思います。
ちなみに僕がお金を人に貸したのはこれ1回きり。
今後も貸すことはないでしょう。
でも僕が借りることはあるかもしれません。
そのときは、細かいことはごちゃごちゃ言わず、太っ腹でお貸しいただくよう、何卒よろしくお願いします。
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おいっ!
それでは、またー。
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