こんにちは、ゆんつです。
誰にでも「笑のツボ」というものがあります。
「ベタ」と言われるような解りやすいギャグが好きだったり、シュールな感じのギャグが好きだったり、ダジャレが好きだったり、笑のツボは人それぞれです。
僕の小学校からの友人に、K君という人がいます。
このK君の笑いのツボは、ちょっとかわっています。
言葉を逆さにすると笑う
K君は、普通の人が笑うようなギャグではあまり笑いません。
K君が心から笑うのは
言葉をひっくり返して逆さにしたとき
なのです。
僕がそんなK君の笑いのツボに気づいたのは、小学校1年の時でした。
当時、僕たちの小学校の校舎の壁には、その学期の目標がボードで掲げられることになっていました。
1年生になって一緒のクラスになり仲良くなった僕とK君が、運動場で体育の授業を受けていたときの事です。
K君が校舎を指さしてクスクス笑いながら僕に話しかけてきました。
あの文字うしろから読んでみて
K君が指さす校舎の壁をみると
がんばるこ(頑張る子)
と書かれていました。
僕はK君から言われたとおりに、その文字を後ろから読んで
こるばんが!
といいました。
すると、K君は信じられないくらいの大爆笑を始めました。
ギャハハハハ!
お腹をおさえて爆笑するK君とは対照的にさっぱり意味が解らない僕。
ぼかーん
何が面白いのかさっぱりわかりません。
K君に
何がおもしろいん?
と聞くと
面白いやんか
というだけで、面白い理由を説明してくれません。
その後もK君は
これ後ろから読んでみて
と、僕に逆さから読んでほしいキーワードを頻繁に指定してきました。
例えば、K君の指さすプリントに「すいえいパンツ」と書かれていて
つんぱいえいす!
というと
ギャハハハハ!
と爆笑したり、K君が指さした本のタイトルが「はたらくくるま」で
まるくくらたは!
というと、
ギャハハハハ!
と、大笑いしたりなどです。
そんな言葉を逆さにすると笑うK君ですが、子供が喜ぶような変顔や下品な言葉、ダジャレなどではほとんど笑いませんでした。
僕はそんなK君を観察していて
K君にとっては言葉を逆さにするのが面白いんだ!
という事に気づいたのです。
K君にそのことを聞いてみると
言葉をひっくり返すと何故か笑ってしまう
と僕に打ち明けました。
ひっくり返せば良いってものでは無い
言葉をひっくり返すと笑うK君ですが、これまでの長年の付き合いで「ただひっくり返せば良いというものではない!」ということも解りました。
僕がこれまでK君観察をして解った、K君のツボにはまる条件は
- 文字数は5文字以上
- 言葉の響きがK君の好みに合う
を満たした時です。
ひっくり返した言葉が、何か意味のある言葉になる必要はありません。
ですので、「パンダ」の3文字をひっくり返して
だんぱ!
と言っても笑いませんし、5文字以上でも「ナタデココ」をひっくり返して
ここ、でたな!
と別の言葉になるようにひっくり返しても、言葉の響きが気に食わないのか全然笑いませんでした。
一番笑った逆さ言葉
K君に
いままでで一番K君が笑った逆さ言葉って何?
と聞いたことがあります。
その答えは、「フレンチカンカン」という言葉をひっくりかえした
ンカンカチンレフ!
ということでした。
言葉の響きがたまらないそうです。
どうでもいい!
割と困るらしい
そんな、K君の習性は、
目についた言葉を必ずひっくり返して読む
というものです。
K君は、職場の壁に書かれている「ヒヤリハット」をひっくり返して心の中で「トッハリヤヒ」と読んでみたり、「タイムカード」を「ドーカムイタ」と心の中で読んでみたりと、目についた言葉は必ず一度はひっくり返して心の中で読む習慣になっているらしいのです。
ひっくり返した言葉が、ツボにはまらなければなんてことはありません。
でも、ツボにはまってしまうと大変です。
ある日のK君の会社の朝礼での出来事です。
上司がしゃべっている最中に、ふと社内予定を書き込むホワイトボードに目をやると、予定表に「せんむバースデイ」と書かれていたそうです。
当然K君は、それをひっくり返し
いですーばむんせ
と心の中で読みます。
そして
イデスーバムンセってロシア語っぽいな
などと考え、朝礼の最中にもかかわらずニヤニヤしてしまい
何をにやにやしてるんだ!
と怒られたそうです。
大変ですなぁ
笑のツボは本当に人それぞれですね。
それでは、またー。
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