こんにちは、ゆんつです。
僕の母親にはある癖があります。
それは何かというとすぐに「お福分け」をしてしまうということです。
「お福分け」は「おすそ分け」と似たような言葉なんですが、例えばクジにあたって賞金が手に入ったり、人から沢山いただき物をしたときにそれを人に分け与えることです。
これを母は「お福分け」といってよくやるのです。
以前母は宝くじで1万円が当たったことがありました。
するとその賞金でケーキを買って勤め先に持っていくのです。
ケーキも10個以上買えば5000円以上かかってしまいます。
宝くじが3000円で1万円当たっているので利益は7000円ですが、こんなことをしたら当たった意味が無くなってしまいます。
いつもこんな感じ
僕や兄が何かお土産をあげても自分が食べるものを何個か取ると人にあげてしまいます。
果物や野菜も沢山もらったら家で使うものを何個か取って残りは会社の人や、友人に分けてしまうのです。
一事が万事こんな感じです。
保存がきくものは置いておいて自分で食べたり使ったりすればいいのに「お福分け」と言って分けてしまいます。
子供の頃からずっと母の「お福分け」を見ていた僕は「なんで勿体ない事をするんだろう?」とずっと疑問に思っていましたが母に直接その疑問をぶつけることはありませんでした。
兄も同じように思っていたようで、今年のお正月に家族全員で食卓を囲んでいるときに「母さん、お福分けもいいけどあんまり人にばかりあげないで、自分で使ったり食べたりしなよ」と言いました。
母の言い分
兄の言葉に対し母は「私1人だけがクジに当たったり、物を貰っても私だけしか嬉しくないけど、それを少しづつ人に分けるとその人たちも喜んでくれるでしょ。」と言いました。
意味なくポンポン人にあげていたわけではなく、自分なりの考えを持って「お福分け」をやっていたようです。
確かに楽しい事や嬉しい事を1人で独占すると自分だけしか喜べません。
でもそれを人に分けることで、喜んでくれる人が増えます。
その話を聞いて何となく母の気持ちがわかるような気がしました。
ただ僕と兄の頭にもう一つの考えが浮かびます。
「何か僕たちに内緒で宗教にでも入ってるんじゃないのか?」ということです。
その疑問をぶつけると母は大笑いして否定しました。
さらにもう1つ僕たちが心配しているのは、母を見ていると自分が損をしてしまうくらい人に物をあげそうなことです。
でも、そこに関しては母なりのちゃんとした基準があるようで「お福分けは突発的な幸運があったときにその利益の範囲内でやる」ということに決めているようです。
なので過剰にお福分けをして自分が損をするというところまでは流石にやらないようです。
僕も兄も母のお福分けに対する考えが聞けたことと、むやみやたらに人に物をあげているのではないということが解ってホッとしました。
遺伝しませんでした
それにしても遺伝というのは当てにならないものです。
そんな母から生まれた僕はとても強欲で独り占めが大好きです。
未だに家族の間で語り草になる僕の強欲ぶりを示すエピソードがあります。
昔親戚のおばさんから「帰ってからお兄ちゃんと2人で食べて」と箱に入ったショートケーキを2つ貰いました。
でも強欲な僕は自宅に帰る途中の公園のベンチで箱を空けて一人で全部食べました。
ナイフもフォークもないので手づかみです。
帰宅すると玄関先で兄が僕を待っていて言いました。
「ケーキは?」
兄はおばさんから電話でケーキを僕に預けたことを知らされていたのです。
僕は口の周りや洋服にクリームを一杯つけた状態で「鳥が食べた」と言い張り兄にひきずりまわされました。
こんな強欲で嘘つきな僕でもいずれは「独り占め」よりも「お福分け」が出来る人間に少しでもなれればなあと思います。
それでは、またですー。
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