こんにちは、ゆんつです。
下関駅から国道9号線を長府方面に向かって行く途中に、まるで竜宮城のような見た目の建造物があります。
まるで絵本から抜け出してきたかのような建物。
この建物がある場所は「赤間神宮」という神社です。
赤間神宮には壇ノ浦の戦いで平家が敗れ、わずか6歳で入水した安徳天皇が祀られています。
また赤間神宮という呼び名になる遥か昔は阿弥陀寺と呼ばれており、怪談「耳なし芳一」の舞台にもなっています。
今日は
について書きたいと思います。
外観
鳥居の前はすぐに国号9号線なので車がビュンビュン通ります。
水天門
鳥居をくぐって境内に入ります。
階段を上ると来年の干支であるイノシシの巨大な絵馬。
右手側に進むと水天門。
まるで竜宮城の入り口のようです。
中に乙姫様はいるでしょうか?
拝殿
水天門をくぐって拝殿へ。
朝早すぎて乙姫様どころか誰もいませんでした。
2018年12月末現在、参拝することはできますが、あちこち工事中のようでした。
いつも通り、世界一のバレリーナになれるようお願いしておきました。
芳一堂
拝殿から左手側に進んでいくと芳一堂があり、木彫りの耳なし芳一(ほういち)が祀ってあります。
僕なりに耳なし芳一についてざっくり説明します。
昔、阿弥陀寺に芳一という腕前抜群の盲目の琵琶法師がいました。
その芳一がある日の晩から一人で出かけて朝方帰ってくるようになります。
毎晩出かけていく芳一を不審に思った和尚さんが後をつけてみると、芳一は平家一門の墓の真ん中で沢山の鬼火に囲まれて琵琶の弾き語りをしていました。
平家の怨霊が武士に化けて芳一を誘い出し、目の見えない芳一は怨霊たちの真ん中で毎晩琵琶の弾き語りをしていたのです。
和尚さんは芳一が怨霊から連れ出されないように一計を案じます。
怨霊からはお経が書かれた部分が透明に見えます。
つまり芳一の体中にお経を書けば怨霊から芳一の姿が見えなくなり、連れ出されることも無くなります。
和尚さんや小僧は芳一の体中にお経を書きますが、うっかり耳だけ書き忘れます。
怨霊が芳一を誘いに来ます。
芳一は声を出さずにじっと息をひそめます。
怨霊は芳一を連れ出そうと探しまわります。
すると芳一の姿はありませんが、耳があります。
芳一がいないので怨霊は仕方なく「耳だけ」持って帰ります。
耳なし芳一の誕生です。
僕がずいぶん勝手に省略しているので、本当の話を知りたい方は下記のリンクからどうぞ。
それにしても、こんなにひどい「うっかり」はありません。
怨霊も悪いですが、和尚や小僧も悪いと思います。
和尚さんはその後芳一に謝罪し、以後怨霊が誘いに来ることも無くなったようですが、こんなにうっかりしている和尚さんや小僧なら謝罪も「芳一メンゴメンゴ」だけで済ませてしまいそうな気もします。
ここはそんな不憫な芳一が祀ってあります
この木彫りの芳一。
とても良く出来ていています。
表面がとても滑らかで、表情も自然で今にも動き出しそうな感じがします。
この木像は山口県防府市出身の彫刻家、押田政夫さんの作品で昭和32年5月に収められたものなんだそうです。
芳一の琵琶の腕前も凄かったみたいですが、押田さんの彫刻の腕前も凄いです。
これを見るだけでも赤間神宮に来る値打ちがあると思います。
七盛塚
芳一堂の隣には七盛塚(ななもりづか)があります。
ここには壇ノ浦の戦いで敗れた平家一門の墓が集められています。
七盛塚という名前の由来は、祀られている人に「盛」がつく人が7人いるからだそうです。
祀られているのは以下の14名の方々です。
- 平有盛
- 平清経
- 平資盛
- 平教経
- 平経盛
- 平知盛
- 平教盛
- 平家長
- 平忠光
- 平景経
- 平景俊
- 平盛継
- 平忠房
- 平時子
この名前を眺めていて、あることに気づきます。
先ほども言いましたが七盛塚は名前に「盛」という字が入っている人が7人いるから七盛塚なのです。
でも14人のうち「盛」が入ってるのは
- 平有盛
- 平資盛
- 平経盛
- 平知盛
- 平教盛
- 平盛継
の6人です。
1人足りない!!
実はあとの1人は「平清盛」で、その墓は下関市の彦島というところにあるのですが、「細かいことは言わずに彦島にある平清盛の墓も含めて七盛塚」ということみたいです。
「ここに無いなら六盛塚じゃないか!!」なんて細かいことは気にしないのが下関人の良いところです。
6よりも7の方がラッキーセブンですし。
まあ当時ラッキーセブンなんて言葉はなかったでしょうし、そもそも墓なのでラッキーなんてないですけどね。
ちなみに七盛塚には高浜虚子の「七盛の 墓包み降る 椎の露」という歌碑もあります
安徳天皇御陵
水天門の逆側に安徳天皇御陵があります。
平清盛から担がれてわずか2歳で即位した安徳天皇は、6歳の時に平家が敗れたため「海の底にも都はあります」と言われ平時子の胸に抱かれ入水します。
この扉の向こうに安徳天皇が祀られています。
幼くして消えてしまった命にそっと手を合わせてきました。
赤間神宮の近くにある、みもすそ川公園には平時子の歌碑があります。
「今ぞ知る みもすそ川の 御ながれ 波の下にも みやこありとは」
赤間神宮は戦争で火災により焼失しましたが、再建にあたってはこの歌にある「波の下の都」、つまり竜宮城をイメージして作られたと言われています。
近隣の観光スポット
赤間神宮の近くには、下関で一番人気の観光スポットカモンワーフや、英国領事館、日清講和条約記念館、亀山神社など観光スポットが集まっています。
ですので、どこか1つに遊びに来た時についでに足を延ばしてみると良いと思います。
どこも歩いて行ける距離です。
またここから車で長府方面に5分くらい走ると、安徳天皇が入水したみもすそ川もあります。
アクセスなど
施設名 | 赤間神宮 |
住所 | 山口県下関市阿弥陀寺町4-1 |
アクセス | |
入場 | 無料(宝物庫は入館料が100円かかります) |
駐車場 | 有り(無料)
神社から国道9号線を挟んだ向かいが駐車場になっています。 |
トイレ | 有り
|
1口メモ | 竜宮城のような水天門の前に立つと、今から異世界に入っていくような不思議な感覚にとらわれます。 赤間神宮での僕の一押しの見どころは芳一堂。 芳一の木像は表情が精緻に作られていてまるで生きてるかのようです。 毎年5月2日~5月4日は先帝祭が行われ、大勢の人でにぎわいます。 カモンワーフから歩いて10分もかからないので、唐戸に遊びに来た際には是非立ち寄ってほしい場所です。 |
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